カメラが教えてくれた。

「なんでもっと明るく撮れないのかなぁ・・・」
シャッターボタンを押そうとしたら突然カメラが喋りだした。

「なんでもっと明るく撮れないのかなぁ。いい加減暗い写真を撮るのは飽きたんだよね。」
「なんでって言われても、、、ってゆうかなんでカメラが喋るんだ。」
「そんなことはいいから、ほらもっと光をたくさん入れて!」
どうやらカメラも長く使ってると喋りだすのかもしれない。

「このくらいでいいかなぁ・・・」
「もっともっと!」
「これくらいでいいよ。あとはパソコンで調整するから。」

「そんなことやるのは10年早いわよねぇ〜。」
あっちのほうでNEX5まで喋りだした。NEX5はどうやら女性のようだ。
(どうりでシャッター音がヒステリックなわけだ。)
「え?今何か言ったかしら?」
「あ、いや、何も・・・」
(女の勘はするどい。)

「だったらほら、もっともっと明るくしてみて。」
(白飛びしちゃうよぉ〜)と思いながら恐る恐るシャッターボタンを押した。
「ほーら、結構大丈夫だろ。」
皺枯れた声がしたと思ったら今度は故障してるOM1からだった。あちこちのカメラが喋るのでまるでトイ・ストーリーのおもちゃ達のようだ。

(お、結構大丈夫じゃん。)パシャ
これまでの習慣よりも1〜2段、さらにはもう一段明るく撮ってみた。
(もうちょっといけるかな・・・)パシャ


パシャ。
パシャ。
パシャ。

「おおぉ〜 こりゃ面白いねぇ〜キミたち!」
パシャ。パシャ。

・・・
いつの間にかカメラは喋らなくなっていた。

[
(少しは違う写真が撮れるようになったね。)と、天国の叔父さんの声が聞こえたような気がした。カメラを喋らせたのはどうやら叔父さんのようだ。