木村伊兵衛ごっこ2(差分調整法)

ロスタート、つまりは、カメラのスイッチを入れてから撮影するのではなく、断続的に撮り続けるという場合がある。猫は動き回るのでさっき撮った場所と今の瞬間を撮ろうという場合はさっきと今では猫との距離もその場所のあかるさも違う。

 この違いをファインダーを覗いてから合わせてるようでは猫はまた違うところに行ってしまうので、撮ろうと思ったらカメラを目のところに持ってゆく動作に入るのと同時に、左手はさっきの距離と今の場所の差分をだいたいでピントリングをまわしつつ右手はさっきの場所と今の場所の明るさの差分を調整しつつ。人間の目というのは結構なものでさっきと今の遠近の違い明暗の違いというのはほぼ分かるのでファインダーが目のところにくる頃にはおおまかな差分修正は済んでいる。まずはここでシャッターを切ってしまい(余裕がありそうなら別にここで切らなくても良いが)、それと同時にピントとシャッタースピードをカッチリ調整して2枚目を撮る。
 それとピントリングは親指と中指でまわすようにする。そうすれば人差し指は絞りの調整係りを任すことができる。

 うまくゆけば結構早く撮れそうな感じだしさらにはこういうことを無意識のうちにやってしまうくらいが望ましいのだけど、まぁまずもってなかなか難しい。木村伊兵衛への道のりは険しい。