木村伊兵衛ごっこ(ピント露出同時調整法)

イカを使ってみると必然的に行き着く写真家というのが何人か居る。日本人では(故)木村伊兵衛さんがその筆頭だろう。その撮りっぷりは居合い切りのごとく、と例えられている。居合い切りというのがどういうものなのかは分からないけれど、いつの間にか撮られていたとか、気づいたら撮影が終わっていたとかいう伝説でその雰囲気はなんとなく分かる。

 自分もライカを使っているんだからせっかくならこの伊兵衛さんのようにカメラを使えるようになってやろうじゃあないか、ということでちよっと前から木村伊兵衛ごっこで遊んでいる。とはいっても遊び相手は茶ら男(この写真の猫)なんだけど。
 猫っていうのは動くものである。まぁ動物なんだからそうなんだけれど、それでもゆっくりめだったり一瞬止まったりする瞬間はあったりするものなので、その間隙をついて撮ってやろうということだ。
 まずはカメラのファインダーを目のところに持ってくる。その時点で1枚目。これは電源のチェックを兼ねているのでピント、露出は滅茶苦茶だけどそれで構わないと思っている。
1枚目のシャッターを切ったか切らないかという段階で既に左手はレンズのピントリングを回していてファインダー内の二重像が合うように調節する動作を行いつつ、右手ではシャッタースピードダイアルを回しながら、これまだファインダー内の露出計を見ながらダイアルを調整する動作。実際には露出計は見ておらず二重像を見ているので、正確に言うと露出計は見ているのではなく意識しているという感じ。M9の露出計は針ではなくて赤い丸点と三角点で表示されるのでとても分かりやすいと思う。もっとも、あてにならないことも多いのだけれど無いよりはマシ。
 二重像の合致(つまりピントが合う)と適正露出が同時に出たらシャッターを切る。というのがこのやりかたの理想なのだけれど、まだまだ理想には程遠く、実際にはピントが合ってから(あわせてっから)露出を出すっていう2ステップになることが多い。この場合は、ピントが合ったときに1枚、さらに露出があったときに1枚、というやりかたになる。
 いずれのシャッターもその動作中の右手の人差し指はシャッタースピードダイアルをいじくっているわけだからレリーズボタンにいちいち指先をかけなおしていたら時間がかかって伊兵衛さんにはなれないので、ボタンは人差し指の第一関節あたりのところで押すようにしている。これには結構慣れが必要だったけれど最近はようやくなれてきた。カメラの持ち方なんかを工夫する必要があるけれど、この方法はシャッタースピードダイアルとレリーズボタンが絶妙な位置関係に配置されているからできることのような気がするけど、他のカメラでもそういうことができる様になっているのかどうかは知らない。


 まぁ、伊兵衛さんが実際のところこういうやり方をしていたとはとうてい思えない。なぜならM3はデジカメじゃない。
 伊兵衛さんがまだ生きている当時の話しで、弟子だかスタッフだかのひとりが伊兵衛さんの撮り方なんだか写真なんだかを真似ていたら『オレと同じ写真撮ったって食えないよ』みたいなことを言われた、というようなことを何かで読んだことがある。確かにそうだと思う。真似は真似であって伊兵衛さんのオリジナルには勝てっこないし、同じ写真を撮っても飯は食えない。
 だけど自分は写真で飯を食うわけではないので伊兵衛さんを真似ていると思えば気分はいいものだ。このときの茶ら男は写真を撮られたことにだぶん気づいていない。
 あ、最初に長々と書いた撮り方ってのはあくまでも50ミリか35ミリのレンズの場合の話しで、だいいち正しい撮り方とは思えない。そもそもオートフォーカスが優秀な最近のカメラだったらこんなことをやる必要も無く綺麗な写真が撮れるんだろうけど、ライカはこういう遊びが楽しいと思う。


 

相乗効果

どんな写真でもいい雰囲気で見れる方法ってのがあって、写真をスライドショーにして好きな音楽を聴きながら見るって方法。この場合の音楽はなるべく静かな曲がいいだろうしヘッドフォンを使うが良し。例:エリックカルメン オール・バイ・マイセルフ
 この方法を発展させて、自分で編集してアップロードしてるのがユーチューブには多いけど、そこまでやっちゃうと曲を紹介したいのだか写真を見せたいのだかわからない。

画角


全身が写るようにするなら被写体との距離は横なら5メートル、縦なら3メートルとか。半身ならその半分とか。これは50ミリレンズでの話しなのでレンズが変われば当然この距離も変わる。覚えなくちゃならないことがたくさんあって楽しい。というか物覚えが悪いので叩き込むというほうが近い。


イカMの弱点のひとつに望遠が難しいってことがあったのだけど、こんどのはライブビューってのが使えるってことは500ミリとかの超望遠も使えるってことか?。ライカの500ミリってあったっけ?これを機に作ったりして。もちろん単焦点でF1。

けものへん事件

学生のときバンドでギターをやっていたことがあった。ある日ボーカルのやつが詩を書いてきて、オマエこれを曲にしてくれベイビー!ってことになって、ノートの切れ端を渡された、なかなかカッチョエエ詩でタイトルは「一匹狼」と書かれていた。

 家に持ち帰ってギター弾きながら苦労の果てに(おぉーこれは結構かっちょいいロケンロールだぜ!)ってな感じの曲が出来たので、切れ端の詩を新しくコード譜に書き直して翌日ボーカルに渡した。「こんな曲だぜベイビー」と、ギターを弾きながら歌ってあげようとしたらボーカルが腹をかかえて笑い出した。(まだ聞いてもないのになんだよ)
 ボーカルはコード譜を指差しながら「お前、“一匹娘”ってナンだよ」


今月分のフォトライフを使い切ってしまったぜベイビ

 それ以来しばらく、一匹娘とかけものへんとか呼ばれたけれど、おかげで狼と娘という漢字を区別できるようになったのはありがたい事件だった。
 基本的に学校の成績は良くなかったなぁ、、、。漢字とか数学って大嫌い。あんなものはウンコだぜベイビ

学校の成績云々なんては生きてくのには関係無いとは思いつつも、いまだに結構なコンプレックスがある。